レビュー:ネット野郎が中勘助の「銀の匙」をよんで。 [BOOK]
今回読んだ本は中勘助の「銀の匙」。
かなり有名な作品ではあるが、
読書をしてこなかった私には
触れる機会もなかった。
先日よんだ「坂の上の雲(一)」にも
登場する夏目漱石も称賛した作品だということで
今回読んでみることにした。
【楽天ブックスならいつでも送料無料】【KADOKAWA3... |
作者の幼少期から17歳になるまでの
出来事がまとめてあり、物語というよりは、
自伝に近いと感じた。
正直いって、読み始めたときは”忍耐”だった。
なにがおもしろいのかわからない。
全く知らない単語も多く出てくる。
ただ、注釈があったため
その点では苦労しなかった。
5分の1くらいは
ただただ読み進めたが、
「お国ちゃん」という
女の子が登場したあたりからは
いつのまにか引き込まれていた。
幼少期のころに感じる、
仲良くなるまでの微妙な距離感のときの
感情や行動が細かく描写されている。
なにも考えていないのではなく、
考えたうえで言葉に出せないときの
もどかしさなども少し共感できた。
また、感情や景色を表現するための
言葉の使い方にも感動した。
1つのことを表現するのにも
きれいで、こまかい日本語で表現してあるので
文字だけの本なのに容易にその場面が想像できた。
はまる前は「まわりくどい表現ばかり。」と
思ったいたが・・・笑
それに、病弱で気弱な主人公に対し、
「なんでそうなるの。」とあきれてしまう場面もあったが、
それほど感情移入していたと言える。
<スポンサーリンク>
幼少期の淡い恋が、
家の事情で引っ越すことになって
切ないような寂しいような感情になるのも、
私も同じような体験をしたこどがあるので
それを思い出させられた。
読み終わって感じたことは、
読み始めの5分の1はつまらなかったのではなく
私に、この本の内容を受ける(理解する)器が
なかったからだと感じた。
今もおそらくこの本の50%くらいしか
良さを理解できていないかもしれないが、
それでもおもしろく、素晴らしいと感じ、
読み進めるほどに引き込まれる作品だった。
器に関してはこれからも
読書をすることで大きくしていきたい・・・
10年後もう一度読めば
また違うことを感じるかもしれない、
そういう本でした。
今回もしろうとのただの感想でした。
<スポンサーリンク>
コメント 0